自然の力を活かした 温泉経営|導入事例 - 妙見石原荘

自然の力を最大限に生かした温泉経営を目指す妙見石原荘は、アルファ・ラバルの熱交換器導入により、源泉の新鮮さを保った温泉の提供を実現し利用者数を倍増させました。 また、業務効率とエネルギー消費量も大幅に改善。 更には温泉熱の再利用にも熱交換器を活用し、サステナブルな温泉経営を実現しています。

更新日 2024-10-02
妙見石原壮 天降殿

恵まれた自然を生かした
温泉経営と業務効率改善を目指して

火山帯の上に位置する日本には27,000以上の源泉があり、豊かな温泉資源に恵まれた世界でも有数の温泉大国です。
源泉の温度は25℃から100℃以上など場所によって様々で、上質な温泉を提供するにあたり、温度管理は重要な要素の1つです。貴重な温泉成分はそのままに、入浴者の安全性や快適さを維持できる温度に設定する必要があります。
火山活動が盛んな日本の九州南部、鹿児島県霧島市の妙見温泉にある「妙見石原荘」は、数多くの温泉施設が存在する日本国内においても、その温泉の新鮮さについて高い評価を受けています。敷地内に源泉を有し、地中から溢れ出す源泉をそのまま提供することに徹底的にこだわっている施設です。

「妙見温泉の源泉温度は約55度で、以前は加水・貯槽をしながら温度調整をしていましたが、それではせっかくの泉質がもったいない、と感じていました」と妙見石原荘の支配人である中崎 善道 氏は話します。

「妙見温泉は古くから病気や怪我を癒す湯治として栄えた温泉のため、温泉の質が高く、更に旅館敷地内に源泉もあります。この恵まれた自然の力を最大限に生かしたいと考えたのです。また、メンテナンス面も課題でした。妙見温泉の泉質は炭酸水素塩泉で炭酸成分が高いため、温泉が途中で空気に触れてしまうとスケール(汚れ)が生じてしまいます。そのスケールによって配管が詰まりやすい状況だったために一日の何時間も配管清掃に費やさなければならず、効率性の観点からも改善したいと考えていました」

 

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■ 妙見石原荘 支配人 中崎 善道 氏

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■ 妙見石原荘 外観図

 

熱交換器による業務効率改善と新鮮な温泉の提供

この課題を解決すべく選ばれたのが、アルファ・ラバルのプレート式熱交換器でした。

アルファ・ラバルのプレート式熱交換器は独自のプレート設計により、流体の圧力損失を低減し伝熱板全体に均一に分散させながら高い乱流が発生するため、1℃といった小さな温度差であっても効率よく熱交換します。
また、プレート形状が最適化されているので汚れの蓄積も最小限に留めて長期間稼働し、洗浄作業のための時間・薬剤・水なども抑えることに繋がります。

たとえメンテナンスが必要になったとしても、ガスケットやプレートの取り外し・取り付けが非常に容易なため、メンテナンス作業を安全 かつ短時間で行うことができ、稼働停止時間を最小限に抑えます。

妙見石原荘では、源泉の新鮮さを追求し、源泉のすぐ近くに熱交換器を導入しました。湧き出た源泉は空気に触れることなく、そのまま熱交換器で適温に調整して提供しています。さらに、浴槽の大きさも 源泉の湧出量に合わせて設計しており、加水や貯槽は一切使用せず、常に新鮮な温泉が満たされる仕組みです。中崎氏は、導入後の成果について次のように話します。

 

熱の再利用によって省エネも実現

「また、熱交換器の導入により、熱を再利用できるようになりました。熱交換されて温まった山水の熱をボイラーに移し、加熱補助、かけ湯等に再利用しています。このプロセスにより、妙見石原荘が目指す自然の力を最大限に生かしたサステナブルな施設運営にも繋がっています」

温泉熱の再利用は消費エネルギーの削減にも貢献します。熱交換器を利用して源泉の冷却源として使って温まった山水をかけ湯や給湯等に再利用した場合の消費エネルギーを試算すると、約30%のエネルギーのコスト削減に繋がります(※湧き出た山水を直接ボイラーに入れて加熱したエネルギーコストと比較した場合)。
妙見石原荘のこうした取り組みは温泉業界でも注目され、同業者からの視察依頼も増えていると中崎氏は語ります。プレート式熱交換器の導入によって利用客の満足度向上に繋がっただけでなく、業界のフロントランナーとして高い存在感を示すきっかけとなりました。

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 ■ 温泉熱と山水による熱交換フロー図
 山水の温度を利用して適温に調整された温泉。100%の自然エネルギーで供給され、停電が起きたとしても変わらずに供給可能。

 

フロントランナーとして目指す更なる熱交換器の活用

妙見石原荘は、アルファ・ラバルの熱交換器を導入したことで、 提供する温泉の質の向上だけでなく、業務効率改善や利用客の増加、更には消費エネルギーの削減も達成しました。
自然と共生した温泉経営のフロントランナーとして、中崎氏は 温泉施設における今後のプレート式熱交換器の更なる活用について、次のように語っています。

「今後は、それぞれの客室に熱交換器を設置し、お客様ご自身で溢れ出る源泉と熱交換器をご覧いただくことによって、熱交換器の仕組みを理解しやすく、身近に感じられるようにしたいと考えています。プレート式熱交換器を利用することで、施設の可能性が拡がります。業界全体を見るとまだ熱交換器を知らない施設も多いです。源泉の泉質をそのままに、新鮮な温泉を提供するために熱交換器が広く利用され、日本全体の温泉の質の向上に繋がっていけばよいなと考えています」

 

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■ 源泉ごとに熱交換器を設置

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■ 妙見石原荘 椋の木
源泉の真横にある川が増水しても、近くに設置されている熱交換器はダメージを受けず、その堅牢性も施設から評価されている。

本事例および、アルファ・ラバルのプレート式熱交換器に関してご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせください。

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