ガスケットプレート式熱交換器
高性能、省スペース、優れたメンテナンス性 ― そのすべてにおいて業界をリードする最先端のガスケットプレート式熱交換器をアルファ・ラバルは開発してきました。数多くのメリットを兼ね備えたガスケットプレート式熱交換器は、様々な産業のプロセスで活躍しており、多管式など他型式の熱交換器から置き換えて採用する企業が急速に拡大しています。 空調・ユーティリティ用の一般工業用シリーズに加えて、厳しい用途向けの半溶接型シリーズ、食品・飲料等向けのサニタリーシリーズ、その他凝縮、蒸発、詰まりやすい流体用の特殊シリーズなど、様々なラインナップでお客様に最適な熱交換器をご提案します。
業界をリードするガスケットプレート式熱交換器
- 優れた熱交換効率により小さな温度アプローチに対応
- コンパクトな機器サイズ:省スペース化、保守・メンテナンスが容易
- 稼働時間の最大化:異物の堆積、負荷、摩耗、腐食が少ない
- 柔軟性:プレート枚数増減により能力変更に容易に適応可
プレート式熱交換器の良し悪しを左右するのは、プレート。
優れたプレートの条件は、高い伝熱性能とプレート面との摩擦で生じる流体の圧力損失をいかに抑えるかにかかっています。しかし、プレート間の乱流が大きいことで高い伝熱性能が得られるプレートは圧力損失が多く、一方で圧力損失の少ないプレートは、伝熱性能に劣るのが一般的です。
アルファ・ラバルのプレートは、随所に他社製品とは異なる様々な独自技術が生かされており、この相反する課題を理想的なバランスでクリアしています。様々なプレス深さ、山形パターンの角度、波形形状のプレートを用意しています。様々な要因を踏まえて、お客様に用途に最適な熱交換器を設計・選択するお手伝いをし、長期にわたるプロセス効率の最大化に貢献します。
プレート式熱交換器 製品比較ツール
■ すでに熱交換器をご利用のお客様へ
製品比較ツールを使えば、現在利用している熱交換器の要件にそって代替できるプレート式熱交換器の情報を素早く見つけることができます。 各メーカーとモデル情報、利用用途からより最適な熱交換器をご覧ください。
ガスケットプレート式熱交換器の構造
冷間プレスされた波形のプレートが上部のキャリングバー、下部のガイドバーにより、フレームに組み込まれています。フレームは固定フレームと遊動フレームからなり、その間にプレートが締付ボルトで固定されます。各々のプレートにはガスケットが取り付けられており、ガスケットにシールされたプレートとプレートの隙間に流路が形成され、2つの液体はプレートの両側を交互に流れます。プレートの大きさと枚数は、流量、流体の物性、圧力損失および温度条件により決定されます。
コネクションは固定フレーム側に取り付けられますが、2パス以上の仕様では固定フレームと遊動フレームの両側に設置されます。
アルファ・ラバルのガスケットプレート式熱交換器が他より優れている理由
- 優れた伝熱効率と圧力損失の最適化により、熱源がつくった熱を最大限に活用し、かつ送水ポンプの電力を削減することで、システムの省エネ化を実現します。
- 汚れ付着を防ぎ、メンテナンス頻度を減らすことで、稼働期間を最大化することができます。
進化した伝熱効率
オメガポート(非円形の流体入口部形状)により、流体を流れやすくし、伝熱効率を高めます。
- プレート積層方向の分配を良くします。
- 圧力損失を抑え、高い熱伝達が得られます。
カーブフロー ディストリビューションエリア(流体分配部形状)により、入ってきた流体を伝熱板全体に広げて流すことで、汚れのリスクを最小限に抑えます。
- 伝熱面積を最大限に活用します。
- チャンネル内部で理想的な分配をもたらし、きれいな状態を長く維持します。
進化した圧力損失の最適化
フレックスフロー (形状の異なるプレート同士を組み合わせる設計)により、熱伝達効率を高め、圧力損失を最適に利用します。
- 高温側と低温側の流量が異なる用途に最適です。
- 両方のプレート表面がきれいな状態を長く維持することができます。
ガスケットプレート式熱交換器の種類
Tシリーズ - 産業用標準シリーズ
業界をリードする最新型
幅広い産業における加熱・冷却・熱回収から凝縮および蒸発といった様々な用途で実績のある、アルファ・ラバルの最新型ガスケットプレート式熱交換器 Tシリーズ は、伝熱効率や信頼性、メンテナンス性の全てにおいて業界をリードする、次世代のガスケットプレート式熱交換器です。
ワイドギャッププレート
詰まりやすい流体に
繊維や粗い粒子を含んだ流体、粘度が高い流体の熱交換を目的に開発された「プレート式」です。一般的な「プレート式」や他型式の熱交換器ではどうしても目詰まりを起こしてしまう流体に、ワイド・ギャップの流路で対応。詰まりやすい流体でも器内の閉塞を防ぎ、洗浄回数を大幅に削減します。さらに、独自の波形プレートが流体に高度な乱流を発生させ、熱交換効率を飛躍的に高めます。製糖、発酵アルコールの蒸留プロセス、化学プロセス、紙・パルプ工業などで、多管式熱交換器の限界を越えた性能を発揮しています。
サニタリープレート式熱交換器
サニタリー用途に
サニタリー性、製品の取り扱い、長時間稼働、優れた洗浄性など、厳しい要求がある食品プロセスに対応するプレート式熱交換器シリーズです。飲料、乳製品、食品など、サニタリー性が求められるアプリケーションに適したFrontLineプレート式熱交換器は、熱に敏感な食品の熱交換に最適です。条件や能力に応じて、プレートや枚数を簡単に組み替えが可能です。
半溶接プレート
腐食性がある流体の取り扱いを可能にし、圧力範囲を拡大
半溶接型プレート式熱交換器は、通常のガスケットでは対応できない液体やガス、または高圧での使用に適しています。主にはアンモニアやCO2の蒸発・凝縮のための冷凍用途で使用されます。アルファ・ラバル独自のRefTight™シールシステムは、レーザー溶接がリングガスケットの溝の外側にあるため、溶接されたチャンネル間の密閉が長期間保持されます。表面が滑らかであるため、ガスケットリング全体が均一に密閉されます。
ダブルウォールプレート
危険な2液の混合を避ける
熱交換をおこなう2流体が混合した場合に危険な反応が予想されるプロセスや、バイオプラントなど、混合事故が外界に悪影響を及ぼすような用途に使用されています。二重構造の特殊ペア・プレートを採用し、一般的な「プレート式」と同じ方法で組み合わせています。万一プレートにクラックやピンホールが生じた場合にも、流体はペア・プレートの隙間を通って熱交換器の外部に流れ出るために2流体の混合はなく、安全な運転が可能です。従来、多管式熱交換器、ダブルサーキットインタークーラー、間接加熱式コイルなどが使用されてきた用途に対応でき、変圧器油の冷却や飲料水の加熱をはじめ、化学・バイオプラント、食品、医薬品製造などの各種工程 で活躍しています。
グラファイトプレート式熱交換器
腐食性の強い流体に
腐食性の極めて強い流体に対してベストワークを発揮する「プレート式」です。金属の代わりに、腐食に強いグラファイトを採用。他型式の熱交換器では求められない「プレート式」の数々の特長に、優れた耐食性がプラスされ、金属製の「プレート式」では難しかった流体への対応が可能です。化学プラントにおける、塩酸、中濃度の硫酸、フッ酸、リン酸などの強酸および多くの腐食性有機液の熱交換に使用でき、他型式の熱交換器に比べて熱交換効率を飛躍的にアップさせます。
プレート式熱交換器 製品比較ツール
製品比較ツールを使えば、現在利用している熱交換器の要件にそって代替できるプレート式熱交換器の情報を素早く見つけることができます。 各メーカーとモデル情報、利用用途からより最適な熱交換器をご覧ください。
ガスケットプレート式熱交換器の特長
❶ 高い熱交換効率
2流体の流れが完全向流となり、また独自の波形プレートにより高い乱流が発生するため、1℃といった小さな温度差でも効率の良い熱交換ができます。また、この乱流によりプレート壁面への汚れの付着を防止することができます。
❷ メンテナンスが容易
締付ボルトを外すだけで、すべてのプレートを容易に点検、洗浄することができます。
❸ フレキシビリティー
交換熱量を高める必要のある場合は、単にプレート枚数を追加するだけで数時間以内に運転再開が可能です。また、低下させる場合は、逆にプレートを取り去ることで作業は完了します。
❹ 優れた経済性
プレートが薄く、コンパクトな設計のために材料費の節減ができ、高い熱交換効率とともに優れた経済性を実現します。
❺ 軽量・コンパクト
同一熱交換能力をもつ多管式熱交換器と比べ、1/3 ~ 1/5(メンテナンススペースを含め)という軽量・コンパクト性を誇ります。設置スペース、メンテナンススペースを小さくでき、基礎工事も簡単です。
❻ すばやい応答性
プレート間の隙間が小さく、多管式熱交換器などに比べ流体の内部滞留量が非常に少ないために運転条件の変化にすばやく応答でき、流体の温度調節が容易です。
主なプレート材質
材質 | 適応流体 |
ステンレス鋼(SUS316等) | 清水、河川水、食用油、鉱物油 |
チタンおよびパラジウム入りチタン(Ti、Ti-Pd) | 海水、塩水、塩素水、塩化物 |
254SMO*1(20Cr、18Ni、6Mo) | 希硫酸、希薄塩化物水溶液、無期水溶液 |
ニッケル(Ni) | 高温、高濃度苛性ソーダ |
ハステロイ合金(C276、D205、B2、G)*2 | 濃硫酸、塩酸、リン酸 |
グラファイト | 塩酸、中濃度硫酸、リン酸、沸酸 |
*1) 254SMOはスウェーデンアベスタ社の登録商標です。
*2)ハステロイは米国ヘインズ社の登録商標です。その他の材質でも製作可能です。本表はあくまでも目安です。詳細については弊社にお問合わせください。
ガスケットの材質
材質(略称) | 使用温度[°C] | 適応流体 |
ニトリルゴム(NBR) | -25 から +140 | 水、海水、鉱物油、ブライン |
水素化ニトリルゴム(HNBR) | -5 から +160 | 高温鉱物油、高温水 |
エチレンプロピレンゴム(EPDM) | -25 から +180 | 熱水、水蒸気、酸、アルカリ |
フッソゴム(バイトン*1) | -5 から +150 | 濃硫酸、クロム酸、溶剤 |
クロロプレンゴム(CR) | -30 から +110 | 冷媒(アンモニア、フロン) |
テフロン包みガスケット*1*2 | 0 から +150 | 有機溶剤・酢酸 |
*1)バイトン、テフロンは米国デュポン社の登録商標です。
*2)ツインプレートのガスケットとして製作しています。その他の材質でも製作可能です。本表はあくまでも目安です。詳細については、弊社にお問合わせください。
ガスケット接着方式
ガスケットは「接着材方式」、「クリップオン方式」の2つの接着方式を採用しています。お客様の用途に応じて最適なものをご提案します。
接着剤方式では、2液性の接着剤を加熱炉で熱硬化させるために接着力も極めて強固です。 | クリップオン方式は、接着剤の代わりにガスケットにあるクリップをプレートの溝に差し込んで固定するもので、脱着が容易です。 |
適切なメンテナンスで性能を最大化
熱交換器は稼働により性能が低下し、熱源に負荷を与える可能性があります。万が一故障すると、突然の稼働停止を招き、生産計画に大きな損失を与える可能性があります。以下のような定期的かつ予防保全的なメンテナンスにより、性能を維持し、安定した稼働を維持することができます。
- アルファ・ラバルの洗浄装置(CIP):現場で素早く簡単に洗浄が可能です。
- リコンディショニング:装置をアルファ・ラバルの整備工場に戻していただくことで、装置の状態を新品同様の状態に戻すことができます。熟練の技術者による性能確認で、装置の現状を把握することができ、ダウンタイムの計画も立てやすくなります。リコンディショニングでは、ガスケットの交換、プレートの更新、破損したプレートの交換を行います。使用するスペアパーツはすべて、アルファ・ラバル純正品です。これは、熱交換器の密閉性と信頼性を確保し、長期にわたって安心できる稼働を再開するために必要です。
トラブルが発生した場合のサポート体制も万全です。サービスセンター、熟練のフィールドサービスエンジニア、サービス代理店、認定サービス業者を通じて、あらゆるプレート式熱交換器に必要な部品やサービスを迅速に提供することができます。さらに、お客様のニーズに基づいた年間保守契約(サービスアグリーメント)の締結により、より確実な保全計画を遂行することも可能です。
プレート式熱交換器 製品比較ツール
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