Aalborg XS-TC7A
Aalborg XS-TC7Aは、補機エンジン向けの高効率の排ガスエコノマイザーで、油焚ボイラーの燃料消費量を大幅に低減するものです。
新たに制定された環境関連規制が、化石燃料による放出の削減を特に重視しているため、海事産業と船主は今後、大きな課題に直面します。このため、アルファ・ラバルでは、高効率の排ガスエコノマイザーであるAalborg XS-TC7A(以前の名称はMISSION XS)を開発しました。このエコノマイザーは、停泊中に補機エンジンから出る排ガス中の熱を利用することにより、油焚ボイラーの燃料消費量を大幅に削減します。
Aalborg XS-TC7Aは、煙管を備え付けた、ディーゼル機関向けの排ガスエコノマイザーです。利用可能な2つのモデルは、いずれも縦型で、高いガス流速により付着物を最小限に抑えます。
排熱回収のコンセプト
アルファ・ラバルは最近、環境と運転の両面を向上させる製品として、主にレトロフィット市場向けに(もちろん新造市場にも適していますが)、排熱回収(waste heat recovery: WHR)ボイラーの新製品を導入しました。この新製品は、船舶と船会社の環境プロファイルを向上させながら、運転費を節減します。
当社は数十年間、船舶の主機関に排熱回収(WHR)システムを据付けてきました。このユニットの大多数は、航海時の船舶の蒸気要求を満たすことができ、一部のユニットでは、発電に役立てることもできます。
以前は、補機用機関から出る排熱は考慮されていませんでしたが、実際には、その排熱には大量のエネルギーが含まれており、このエネルギーは、停泊時に、また船舶によっては航海時も、蒸気要件を満たすために利用できます。WHRのコンセプトは、投資利益よりエネルギー生産を特に重視した、カスタマイズされたソリューションとして開発されています。また、投資回収期間も非常に短く、最適化された場合には4~6カ月間まで短くなります。しかし、通常の投資回収期間は、約1~1.5年間で、生産した蒸気を利用可能な日数(重油燃焼ボイラーの蒸気要件に対するオフセット)と必要な冗長性で決まります。
当社は、実績があり革新的なソリューションに基づいた高効率で信頼性の高いコンセプトを提供することにより、最良の稼働条件と最適な投資利益を実現します。WHRボイラーの伝熱面の構造は、設置面積が小さく、出力比に対する重量が最小の当社独自の技術の向上による結果です。
WHRボイラーのコンセプトは、最も有利な構造を実現するために、既存の煙路背圧などを十分に考慮して、特に個々の船舶と機関の構造に合わせることができます。このコンセプトにより、2つのソリューション構造が選択可能です。1つは、別置きのボイラー(既存の補助ボイラーなど)に蒸気スペースが必要になるもの、もう1つは、WHRボイラーに蒸気部が内蔵されたものです。
特徴とメリット
- 停泊時の蒸気必要量を供給または補助可能
- 蒸気生産(エネルギー)コストがほぼゼロ
- 投資回収期間が非常に短いため、投資が財務的に健全
- 環境に配慮した姿勢を船舶に付与
- 許認可された場合、排ガス税の低減
- 重油燃焼ボイラーの保守コストと運転コストの低減
動作原理
補機用機関から出る排ガスは、エネルギー源として見過ごされてきました。しかし、ストロークの長い主ディーゼル機関の温度の低い排ガスでは、必要な蒸気の確保には不十分なため、補機用機関から出る排ガスに注目が集まっています。補機用機関の排ガスは、停泊時または航海中でも、蒸気の必要条件を満たすことができます。現在の高い燃料価格で見積もると、Aalborg XS-TC7A排ガスエコノマイザーの代表的な投資回収期間は1~1.5年になります。
設計圧力: 10 bar(g)
船舶の仕様に従った容量
滞船時に蒸気必要量を補助する能力
エネルギー効率設計指標(Energy Efficiency Design Index: EEDI)に対する潜在的に好ましい影響
船舶の種別
- コンテナ船
- タンカー
オプション
- 蒸気スペース搭載の有無
- 保守時を含め、連続運転のための(特定のパラメータの範囲内での)ドライ運転に対する耐久性