廃熱回収が、冷却システムにとってプラスとなる場合は少なくありません。回収し再利用する熱が増えれば増えるほど、プロセスに必要な使用量を減らすことができます。これは次のような点で有用です。
プラントの冷却能力に限界がある場合、廃熱回収によって冷却能力に余裕ができるため、プラント内の他の箇所における冷却関連のボトルネックを取り除ける場合があります。
河川から取り込める冷却水の量に上限があったり、河川に戻す放流水の水温に上限があるなど、冷却水をめぐって環境規制が設けられているプラントでは、廃熱回収によってこれらの上限をクリアできる場合があります。
その結果、プラントの能力の限界まで運用できるようになります。
上記の通り、廃熱回収は冷却上の規制をクリアしますが、その際同時に運用コストの削減にもつながります。これは、冷却に使われる循環ポンプや冷却塔のファン動力の負荷、ひいては電力消費量が減少することによります。また、必要な冷却水が少なくて済めば、水処理に必要な薬剤も少なくて済みます。
廃熱回収によって、冷却システムの負荷を抑えることができます。また、製造工程中に冷却能力の限界によるボトルネックがある場合、廃熱回収によってこれをクリアできる場合があります。