2019-04-17 Product News
アルファ・ラバル PureBallast 3 USCGの型式承認を更新 - Holding timeを短縮
アルファ・ラバルのバラスト水処理技術の第3世代であるAlfa Laval PureBallast 3は、米国沿岸警備隊(USCG)による型式承認を更新した。 この新しい認定により、同システムを搭載する船舶は米国の水域においてわずか2.5時間のHolding timeでバラスト排水が可能になった。
Alfa Laval PureBallast 3は4月4日、USCGから更新証書を授与され、あらゆる塩分濃度の水域でのHolding time”ゼロデイ”を認定する型式承認を取得した。 これによりPure Ballast 3の搭載船は、米国の水域において、バラスト水を取水後わずか2.5時間で排水することが可能になった。 2.5時間のHolding timeは単に技術的な試験手順を根拠とするものにすぎず、船舶がこの短い時間内において別のCaptain of the Port Zoneに移動した場合にのみ適用されるものだ。
「当社はより複雑なUSCGの規制下でも、運転を簡便化できるように取り組んでいます。」 Alfa Laval PureBallastの責任者であるAnders Lindmarkは述べている。 「PureBallast 3の新たな、そして劇的なHolding timeの短縮により、米国水域運航時での主なフラストレーションを取り除きます。」
Holding timeの排除
Holding timeとは、バラスト水の取水完了とバラスト水排水開始との間隔と指定されている。 PureBallast 3は、他の多くの処理システムと同様にUSCG規制の下で運転する場合には、IMOの規制下ではそのような要件がないにもかかわらず、必須保持時間が設定されていた。
UV方式の処理システムが米国の水域においてHolding timeを設定されてきた理由は、生物学的殺菌性能を検証する試験方法がIMOとUSCGとで異なるためだ。 しかし、最近行われた「船舶からの排水に関する法律(VIDA)」への大統領署名は、USCGがIMOの試験方法を再評価する道を開くものとなる。 USCGがIMOで採用されているのと同じ試験方法の受け入れを決めた場合、UV方式処理システムのサプライヤーはIMOの試験方法に基づいてUSCGの型式承認を再申請することが可能になる。
「アルファ・ラバルは、VIDAに関する動向を綿密に追っていますが、USCGの法改正を待たないことにしました。」とLindmarkは言う。
Holding timeが課題の電解方式処理システム
USCG型式承認の更新により、PureBallast 3はUV方式の処理システムにおいてだけでなく電解方式処理システムに対しても決定的に優位に立つことになった。というのは、電解方式の処理システムでは、Holding timeを短縮するには薬剤の使用量を増やすしか方法がないからだ。多くの電解方式の処理システムでは、総残留酸化物(TRO)の排出制限を満たすために大量の中和剤が必要となる。
「薬剤を使用しないUV方式の処理とは異なり、電解方式の処理では排出前に中和しなければならない活性物質が含まれているため、これらは処理に時間をかけるか大量の薬剤を使用するかしかないのです。」とLindmarkは指摘する。「 PureBallast 3はバラスト水処理技術の中で最も制約が少なく、米国水域においてHolding timeが短縮されるため、これらの制約がさらに少なくなるわけです。」
Alfa Laval PureBallast 3とアルファ・ラバルによるバラスト水処理方式の詳細については、www.alfalaval.com/pureballastを参照されたい。
詳しくは下記までご連絡ください。
Anders Lindmark
Head of Alfa Laval PureBallast
Alfa Laval Marine Division
Phone: +46 70 104 29 19
E-mail: anders.lindmark@alfalaval.com
Anja Simonsson
Vice President Communication
Alfa Laval Marine Division
Phone: +46 8 53 06 55 27
E-mail: anja.simonsson@alfalaval.com
www.alfalaval.com/marine
編集者メモ
アルファ・ラバル・ピュアバラスト(Alfa Laval PureBallast)について
PureBallastは、市販された最初のバラスト水処理システムであり、アルファ・ラバルによって販売およびサービスが提供されている薬剤を使用しないバラスト水処理技術である。 PureBallastの主要構成部位は、アルファ・ラバルとWallenius Water社が共同開発したWallenius Water技術に基づく強化UVリアクターである。 PureBallastシステムの全機種は、IMOと米国沿岸警備隊(USCG)両方の型式承認を取得している。
アルファ・ラバルについて
アルファ・ラバルは、熱伝導、分離、および流体制御の主要技術に基づく専門製品およびエンジニアリングシステムの世界的なプロバイダーである。
同社の機器、システム、およびサービスは、顧客のプロセス効率の最適化をサポートすることに貢献している。 これらのソリューションは、食品や飲料、化学薬品や石油化学製品、医薬品、澱粉、砂糖、エタノールなどを生産する産業において、製品の加熱、冷却、分離、移送に利用されている。
アルファ・ラバルの製品は、発電所、船舶、石油およびガス探査、機械産業、鉱業および廃水処理、さらには空調制御および冷凍用途にも使用されている。
世界規模にわたるアルファ・ラバルの組織は、世界100カ国に及ぶ顧客と密接な協調関係を持ち、世界の各分野でその競争優位をサポートし続けている。 アルファ・ラバルはNasdaq OMXに上場しており、2018年には年間売上高約407億クローネ(約40億ユーロ)を計上した。 同社の従業員数は約17 200人である。