熱回収
データセンターは、過去数十年の間に持続可能性に向けて多くの改善を行ってきました。これは、電力使用効率(PUE)や炭素使用効率(CUE)の削減から、水使用効率(WUE)の改善までをカバーしています。しかし今、データセンター業界では、次の革命的な飛躍を遂げる時が来ています。
廃熱を処理することで、データセンターはエネルギー供給者にもなります。これにより、全体の収益性が向上するだけでなく、エネルギー再利用効果(ERE)の指標も改善されます。
一般的なデータセンターでは、冷却プロセスが電力使用量の最大の要因の1つとなっています。また、運用コストの増加や、カーボンフットプリントによる環境への影響も懸念されます。そのため、熱回収プロセスでこのエネルギーを利用することで、廃エネルギーを他の用途に利用し、増大する影響の低減を可能にします。
しかしながら、データセンターの熱回収にはいくつかの課題があります。というのも、加熱活動には一般的なデータセンターの冷却水よりも高い温度が必要になることが多いからです。幸い、ヒートポンプを使えば、この問題を解決し、必要な温度に到達することができます。
そして何よりも、ヒートポンプはシステムの冷却性能にも貢献します。
直接的熱回収
データーセンターからの廃熱に対するプロセス温度の要求が低い場合は、温度レベルを上げることなくコンシューマーを冷却ループに接続することが可能です。従来であれば、温度を上げるためにヒートポンプを追加するには電力が必要になるため非常に望ましいソリューションです。
成長中のリキッド対リキッドの冷却技術のおかげで、効率を改善し、温度要求が高いときには、より多くの熱を回収することができます。
プレート式熱交換器を追加することで、2つのシステム間の干渉を回避し、システムブレーカーとして機能します。
直接熱を利用できるアプリケーションの例としては、スペース暖房、グリーンハウス、昆虫農場、魚農場、藻類農場、海水淡水化プラント、木材やバイオマスの乾燥などが挙げられます。
ヒートポンプによる熱回収
必要なプロセス温度がデータセンターからの冷却水の温度よりも高い場合、ヒートポンプを接続して温度を上げることができます。データセンターからの冷却水は、合成フレオンまたは自然冷媒を蒸発させるために使用されます。蒸発した冷媒は圧縮機で加圧され、凝縮器で高温になります。この熱は、産業プロセス、地域暖房水、家庭用温水などに利用されます。
エネルギー効率を最大化し、圧縮機の電力消費を最小限に抑えるためには、COP(Coefficient of Performance)の高いヒートポンプを使用する必要があります。最もCOPが高く、持続可能なソリューションは、二酸化炭素やアンモニアなどの自然冷媒を使用することです。これらの自然冷媒と、ろう付けまたは半溶接されたプレート式熱交換器を組み合わせることで、最もエネルギー効率の高い結果を得ることができます。
季節変動がある場合は、ヒートポンプと他の冷却ソリューション(フリークーリングやチラーなど)を組み合わせることで、最適なシステム効率を得ることができます。
多岐に渡るコスト削減
廃熱回収と適切に設計されたプレート式熱交換器を組み合わせることで、データセンターのコスト効率と持続可能性がさまざまな形で改善されます。
さらに、熱回収ソリューションは、ネット・ゼロ・エミッションへの移行を加速させる鍵となります。この動画では、効率性の評価基準と、持続可能なデータセンターの構築において廃熱回収が果たす役割についてご紹介します。
熱回収ソリューション
より持続可能な規模のデータセンターを設計するにはどうすればよいでしょうか。そのためには、加熱プロセスと同様に冷却プロセスにも適した適切な温度を見つけることが重要です。ヒートポンプ、自然冷媒、アルファ・ラバルのプレート式熱交換器を組み合わせることで、高いCOP(Coefficient Of Performance:性能係数)を達成することができます。これにより、希望の温度に達することができ、同時に冷却システムの性能を高められ双方にメリットが生まれます。
アルファ・ラバルは、お客様の冷却と廃熱回収の最適化を支援するための専門知識をご提供します。持続可能なデータセンターの設計方法については、当社の専門家であるクリスチャン・ケンペ氏とイェスパー・オルセン氏の動画をご覧ください。
プレート式熱交換器のメリット
- 熱回収可能
- 効率的なシステムブレーカーによる干渉と責任の確保
- ボリュームの分離
- メンテナンスの軽減と簡素化
- 生産現場の冷却コストの削減
- AHRI規定に基づいた認定性能
効率化への転換
アルファ・ラバルのプレート式熱交換器は、蒸発器と同じ小さなLMTD(対数平均温度差)で運転することができます。この効率が液柱や不正確な圧力損失によって失われないようにするために、弊社はUターンセパレータを開発しました。このモジュールは、他のどのソリューションよりも垂直方向の上昇が少なく、寸法も小さいため、効果的でコンパクトな設置プロセスが可能です。さらに、すべてのアンモニア接続が同じ側にまとめられているため、モジュールを壁の近くやメインスキッドの外周に設置することができます。
アルファ・ラバル U-turn の利点
- 自然冷媒用の設計
- 当社のプレート式熱交換器とセパレータ技術を含む完全なソリューション
- 圧力損失の最小化最大限のエネルギー効率
- 近い温度でのアプローチ
- 省スペース設計
- 半溶接プレート式熱交換器とAlfa Nova融着プレート式熱交換器で使用可能
アルファ・ラバルが提供するグリーンITの未来を紹介
アルファ・ラバルは、インターネットの発展とともにサーバールームの冷却ソリューションを提供してきました。今日、私たちはデータセンター冷却のための幅広いソリューションを提供していますが、これらはすべてお客様のビジネスを理解する専門家による世界的なサービスネットワークによって支えられています。データセンタープロジェクトを開始する際にアルファ・ラバルにご相談いただければ、冷却効率と信頼性を最大限に確保するシステムの設計をお手伝いします。
パフォーマンス・オーディット
アルファ・ラバルのエキスパートにより、お客様がお使いの製品の性能を確認し分析します。最先端のツールを使用して付着物やその他のリスクを検出して、すべての保守を予測・計画することで、システムの稼働時間を最適化することができます。
CIP洗浄
付着物が発生した場合、アルファ・ラバルのCIP(定置洗浄)システムによって、装置を分解せずに熱交換器を迅速に簡単にインライン洗浄することができます。アルファ・ラバルは常に環境に優しく簡単に生物分解される薬剤を使用します。CIPによって、装置を何回も無駄に開閉する必要がなくなります。これによって、スペアパーツの消費と保守にかかる工数を大幅に削減します。
バックフラッシング
アルファ・ラバルは、冷却水が入って来る流路について短時間のバックフラッシュ手順を頻繁に実施することを推奨します。この手順では、逆方向の水流によってプレート式熱交換器の表面に堆積したデブリを流し落とします。熱交換器のバックフラッシングを行うことで、時間とコストを削減し、ダウンタイムを最小限に抑えます。
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最先端のプレート式熱交換器を用いた効率的なクーリングタワー冷却システムによって、データセンターのコスト効率や持続可能性を改善する方法について、当社のエキスパートからご紹介します。是非お問い合わせください。